米国雇用統計とは?
「米国雇用統計」をざっくり知る。
米国雇用統計とは、アメリカの労働省労働統計局(BLS: U.S. Department of Labor Bureau of Labor Statistics)が毎月発表している米国の雇用情勢などに関する経済指標です。
米国の雇用情勢は個人所得・個人消費にも大きく関係し、今後の景気動向に大きな影響を与えます。そのため、経済指標の中でも特に重要視されるものがこの「米国雇用統計」なんです。
「米国雇用統計」を詳しく知る。
この米国雇用統計ですが、米国労働省労働統計局(BLS)が全米の企業・政府機関などに対してサンプル調査を行い、その調査内容をもとに統計を発表します。
そして一言で「雇用統計」といっても、実際には以下に挙げるような10数項目の統計が発表されます。
- 失業率★
- 非農業部門就業者数★
- 建設業就業者数
- 製造業就業者数
- 小売業就業者数
- 金融機関就業者数
- 週労働時間
- 平均時給 など
この中でも、投資家に特に重要視されている指標が「非農業部門就業者数」と「失業率」です。このふたつはFOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策にも大きな影響を与えるためです。
というわけで、この2つについてはさらに詳しく見てみましょう。
「非農業部門就業者数(NFP)」
「非農業部門就業者数」は、農業部門以外の産業で働く就業者数を非農業部門に属する事務所の給与支払い帳簿をもとに集計したものです。英語ではNon-farm Payrollなので、NFPと略されます。
これは世界中の経済指標の中で最も市場に注目されている指標のひとつです。
「失業率」
「失業率」は、失業者を労働力人口(就業者と失業者の合計)で割ったものです。約6万世帯が調査対象となっており、
これも、非農業部門雇用者数と同様に、世界中の経済指標の中で最も市場に注目されている指標のひとつです。
米国雇用統計が発表されるタイミング
米国雇用統計が発表されるのは、毎月第1金曜日です。
正確には、毎月12日を基準日として、12日を含む週の雇用状況を調査し、調査・計測期間から3週間後の金曜日に発表されます。そのため、原則として毎月第1金曜日に米国雇用統計が発表されます。
米国雇用統計の発表前後のチャート変化(ドル円)
2020年9月4日(金)の米国雇用統計は、21:30に以下のように発表されました。
- 失業率
[予想]9.8%
[実際]8.4% - 非農業部門就業者数
[予想]+135万人
[実際]+137.1万人
非農業部門就業者数は予想とあまり乖離はありませんが、失業率が予想値よりも大きく低く、これが市場に好感されました。
そのため、雇用統計をきっかけにドル高が進み、ドル円チャートは以下のようになりました。